子どもの病気・疾患
熱中症について
6月14日は東京都内でも最高気温が31℃以上になる猛暑日となりました。
都内では13人が熱中症疑いで救急搬送されたとのことです。
本来熱中症の発症が多い時期は、梅雨明け後の7月下旬以降ですが、近年ではヒートアイランド現象や地球温暖化により気温が上昇傾向にあるため4月ごろからの発症もみられています。
今回は暑くなる時期だけでなく、室内や夜間でも起こりやすい熱中症についてお話ししたい思います
子どもの熱中症(熱射病)とは
★大人よりも暑さに弱い
子どもは大人に比べ体温調節がうまくできません。特に汗をかく機能が未熟で暑さを感じてから汗をかくまでに時間がかかり、体温を下げるのにも時間がかかってしまうため体に熱がこもりやすく体温が上がってしまいます
★照り返しの影響を受けやすい
子どもは体重に比べて体表面積が広い分、気温などの周囲の環境に影響を受けやすいです。また、幼少期の子どもは身長が低いため、地面からの照り返しの影響を強くうけます。このため大人が暑いと感じているとき、子どもはさらに高温の環境下にいることになります
例えば、大人の顔の高さで32℃の時、子どもの顔の高さでは35℃程度に感じるほどです
★自分では予防できない
子どもは夢中で遊んでいると、『喉が渇いた』『だるい、疲れた』など自分からはなかなか教えれくれません。
子どもの熱中症は周りの大人のチェックを行うことで予防できることが多く、子どもに熱中症のサインが出ていないかを気にかける必要があります
熱中症分類
翌日になって症状が出る時間差熱中症
熱中症は暑いなか活動した当日に症状が出ることがほとんどですが、24時間は注意が必要です!
外にいる時は熱中症予防として水分補給をしていますが、家に帰った後はついつい水分補給を忘れがちです
そうすると体の中は、まだ熱いのに水分や塩分の補給が間に合わなくなり、時間が経って翌日に『だるさや頭痛』などの症状が出てきます
翌日のお子さんの様子にも注意しましょう
予防ポイント7つ
ポイント1 『気温と湿度を』『熱中症警戒アラートを』気にしよう!
⇨TVやWebなどで公開されている気温や湿度、熱中症警戒アラートなどの危険度を気にしましょう
ポイント2 『室内を』涼しくしよう!
⇨エアコンや扇風機を適切に使って室温を下げましょう。ガマンは×
ポイント3 『水分を』こまめにとろう!『塩分を』ほどよくとろう!
⇨喉がかわいていなくてもこまめに水分をとりましょう。小さいお子さんには適時水分補給を忘れずに!
ポイント4 『衣服を』工夫しよう!
⇨衣服は麻や綿など通気性の良い生地を選んだり、下着は吸水性や速乾性に優れた素材を選びましょう
ポイント5 『日差しを』よけよう!
⇨帽子や日傘をさす、ベビーカバーを使用することで直射日光を避けましょう。また、なるべく日陰を
歩いたり、日陰で活動したりしましょう。ベビーカーの置き場にも注意しましょう
ポイント6 『冷却グッズを』身につけよう!
⇨冷却シートやネッククーラー、ハンディファンなど様々なグッズがあります。首元など太い血管が
通っているところを冷やすと、効率よく体を冷やすことができます
ポイント7 『十分な睡眠を』『睡眠環境を』快適に保とう!
⇨通気性の良い寝具を使ったり、エアコンや扇風機を適度に使って睡眠環境を整え、しっかりと睡眠を
とりましょう
熱中症対策におすすめの飲みものは?
*あまり汗をかかない時
室内や運動をしない時は 麦茶などの『お茶』
ただし暑さや汗をかいている時は塩分を手軽に摂取できる『塩分タブレット』を活用しましょう
*スポーツなどで汗をかきやすい時、長時間外出する時
効率よく水分や塩分補給できる『スポーツドリンク』
スポーツドリンクは水分だけでなく塩分や糖分、クエン酸が含まれ、疲労回復に役立ちます。ただし、糖分が多く含まれているものもあるので飲み過ぎには注意しましょう
*脱水症状が出てきた時
だるさや立ちくらみなどの脱水症状が出てきた時には『経口補水液』
電解質や糖分をバランスよく配合しており、スポーツドリンクよりも速くエネルギーを吸収することができるため、緊急時に適していますが、
重症化する恐れもあるので、早めに医療機関を受診しましょう。