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夜尿症(おねしょ)

夜尿症について

5歳以上で1か月に1回以上のおねしょが3か月以上続いた場合に夜尿症と診断します。夜尿症には今までおねしょがなかった時期のない一次性夜尿症と6か月以上大丈夫な時期があったのに、またおねしょが出てきてしまった二次性夜尿症とあります。二次性夜尿症の場合は環境的要因(小学校に入学した、兄弟ができた)の場合が多いですが、他に基礎疾患がある場合もあるので、問診、診察を行った上で適切な検査が必要になります。

夜尿症の頻度ですが、6歳で13%、8歳で7%、10歳で5%程度の子に夜尿症があるとされています。また昼間の尿失禁は7歳で6~8%、12歳で6%、17歳で0.5%とされており、男児より女児に多い傾向にあります。

夜尿症のガイドラインでは以下の要因が影響して夜尿症になるとされています。

  1. 睡眠から覚醒する力が足りない
  2. 寝ている間の膀胱に尿を貯める力が足りない
  3. 寝ている間に尿が多量に生成されてしまう

夜尿症の治療

行動療法

適切な排尿姿勢

便座に座った際に床に足がついていることがとても大切です。普通の便座ではこどもは足がつかないことが多いため、踏み台などを使用すると良いです。

定時排尿

起床時、在校中に2回、帰宅時、夕食時、就寝前の決まった時間にトイレに行き、排尿する習慣があると、特に昼間尿失禁が改善すると報告されています。

就寝前の水分摂取を控える

就寝前2時間までは摂取した水分は就寝前の排尿で大部分が出てくるとされています。就寝前2時間~就寝まではなるべく水分を摂取しないようにしましょう。この間に摂取した水分が寝てから尿になり、膀胱に貯まってしまいます。

当院に来院された場合は、詳しいお話を聞かせていただいた上で、診察、尿検査(必要であれば血液検査)などを行い、行動療法をお話します。行動療法を行なっても夜尿症の改善が得られない場合は、膀胱容量や夜間尿量などを参考に薬物療法を行います。

薬物療法

デスモプレシン(ミニリンメルト®)

腎臓での水分再吸収量を増やし、尿量を減らすことができる内服薬です。ただし、デスモプレシン内服下で水を飲みすぎると副作用である水中毒(めまい、頭痛、嘔吐、けいれん)の危険性があるので、厳重な水分摂取管理が必要になります。また夜間に過剰な飲水をした場合や、熱が出た時、胃腸炎になった時などは水分補給を優先して、一旦、デスモプレシンの内服を中止してください。

抗コリン薬

膀胱括約筋を強める働きがあり、最大膀胱容量が増えることが期待できます。単独治療は推奨されていないので、使用する場合はデスモプレシンとの併用療法になります。
副作用には口の中の乾燥、便秘、顔の赤みなどがあります。副作用に注意しながら内服開始後4週間程度の時点で効果判定を行います。