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花粉症・アレルギー性鼻炎

花粉症・通年性
アレルギー性鼻炎について

花粉症は植物の花粉がアレルギーの原因となり、鼻水、鼻づまり、くしゃみ、眼のかゆみ、皮膚炎などの症状を引き起こします。春に飛散するスギ花粉が原因の多くを占めますが、夏から秋にかけて飛散するイネ科の花粉や、年始ごろより飛散するハンノキの花粉も原因になります。花粉症では花粉の飛散シーズンに入る前に薬を開始することで、より軽い症状でシーズンを過ごすことができます。

1年中、鼻炎症状のあるお子さんの場合はダニにアレルギーがあることが多いです。ダニは1年を通して環境中にいますが、特に秋に多い傾向にあります。子どもでは鼻炎症状のある期間が長いと口呼吸が定着してしまいます。口を常に開けていないと呼吸ができないので、口の周りの筋肉が弱くなり、ポカンと口を開けたままでいるようになります。口の中が乾いた状態になるので、う歯(虫歯)が増えたり、低位舌といって舌が口の中で上顎につかず、前歯に当たることで歯並びが悪くなってしまうことがあります。マウスピースなどで矯正したり、口の中の筋肉を鍛えることも大事ですが、鼻炎に対してしっかりと治療を行うことも重要になります。

アレルギー性鼻炎は他にも夜尿症(おねしょ)や注意欠如・多動症(ADHD)といった病気との関連も示唆されています。鼻づまりは急に出現すると、とても辛く感じ、日中のパフォーマンスが落ちていることを実感しますが、鼻づまりがある状態が続くと慣れてしまい、常態化してしまう傾向にありますので、しっかりと症状を拾い上げて、治療につなげることが重要です。花粉症やアレルギー性鼻炎では治療薬をしっかりと使用することも大事ですが、同様に環境整備も重要です。環境整備はアレルギーのあるダニやスギの抗原から回避することが基本です。
また、スギ、ダニアレルギーに対しては舌下免疫療法を行うことができます。舌下免疫療法は抗ヒスタミン薬やステロイド点鼻薬と異なり、根本的にダニ、スギに対するアレルギーをなくす治療法です。首都圏で生活をする場合は、ダニ抗原やスギ抗原を完全に回避して生活することは難しく、症状は毎年、増悪傾向となることが多いので、アレルギー性鼻炎を発症した場合は早めに舌下免疫療法を行うと良いと考えています。舌下免疫療法を早くに始めた場合、ダニ・スギ以外の吸入抗原感作に対する予防効果も報告されています。

舌下免疫療法

他の薬はアレルギー症状を緩和させる薬ですが、舌下免疫療法はアレルギー自体を改善させる治療法です。3~5年間、毎日薬を服用することで8割強の方の症状を消失・緩和するとされています。スギに対するシダキュア、ダニに対するミティキュア、アシテアがあります。舌下免疫療法開始時に口の中の違和感や舌下部の腫脹が出ることがありますが、抗ヒスタミン薬を併用することで緩和されますし、舌下免疫療法を続けているうちに症状がなくなることがほとんどです。
スギ花粉、ダニに関しては近い将来に環境中の抗原量が少なくなることはなさそうなので、アレルギー症状が出てきてしまった場合は早めに検討した方が良いと考えています。

また子どもでは舌下免疫療法を行うことでターゲットの抗原(ダニ、スギ)以外の吸入抗原(イネ科花粉、カバノキ科花粉、カビなど)の感作を予防する可能性も報告されており、この点も早くに開始するメリットだと考えています。一方で、症状がない期間も薬を服用し続けることが難しい場合があります。大人でも子どもでも同じです。歯磨きのように習慣化すると続けられることが多いので、服用開始時よりどのように生活に組み入れていけるかを具体的に考えていく必要があります。

副作用

舌下免疫療法については、アレルギーのあるものを体の中に入れるのでアレルギー症状が出ることがあります。軽度のものだと、口の中の違和感や耳のかゆみ、舌下部の腫脹だったりしますが、ごく稀にアナフィラキシー症状が出ることがあります。アナフィラキシー症状は連続性の咳や、喘鳴、お腹の痛み、嘔吐、意識障害などです。使用方法を遵守していただけた場合はこのような重篤な症状が出現する可能性はほとんどありませんが、安全を期するために最初の内服は医療機関で行い、30分程度経過をみる必要があります。また気管支ぜんそくをお持ちの方は気道症状が出やすくなるので、喘息のコントロールをしっかり行ってから舌下免疫療法を開始する必要があります。

当院での舌下免疫療法の開始方法

  1. 1血液検査で、ダニ、スギに対するアレルギーを確認します。血液検査の結果が出るまで1週間程度かかります。舌下免疫療法のパンフレットをお渡ししますので、ご確認ください。不安や疑問に思うことがあればご質問ください。
  2. 2舌下免疫療法の注意点、メリット・デメリットを知っていただいた上で、舌下免疫療法の同意書を記入していただきます。Webで同意書に記入していただきますと、院内での待機時間が短縮されますので、ぜひご協力ください。同意書を確認し、舌下免疫療法の薬を処方します。
  3. 3初回内服時は強いアレルギー症状が出現する可能性があるため、院内で初回内服を行います。処方した薬をご持参ください。内服後30分程度、院内で経過観察を行います。
  4. 4初回導入量で口腔内症状など、不都合なことが出てきていないかを確認し、維持量に増量します。困っていることなどがあれば、ご相談ください。

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