予防接種
麻疹・風疹ワクチン(MRワクチン)
■麻疹(はしか)
非常に感染力の強い麻疹ウイルスによる感染症です。感染して10~12日の潜伏期を経て、鼻汁や咳、熱などが出てきます(カタル期)。熱が出て3日後あたりに体に発疹が出てきて、その後高熱が続きます(発疹期)。重症化すると肺炎や脳炎になってしまい、亡くなる方もいます。
また麻疹ウイルスに感染すると一過性に強い免疫抑制状態になることが知られており、合併した別のウイルスや細菌感染症が重症化することもあります。さらに麻疹にかかってから数年後に亜急性硬化性全脳炎(SSPE)という病気を発症することがあります。世界での2015年の5歳以下の小児の死亡数推計によると麻疹による死亡は全体の1.2%を占めており、しっかりワクチンで予防することが大事な感染症になります。
■風疹
麻疹ほどではないですが、感染力の強い風疹ウイルスによる感染症です。感染して2~3週間後に発熱、首の後ろのリンパ節腫脹が出現します。また全身に発疹も出現します。基本的には感冒症状のみで治まることが多いですが、稀に脳症を起こすことがあります。妊娠初期にお母さんが風疹ウイルスで感染することで、お腹の中の赤ちゃんが先天性風疹症候群になってしまうことがあり、保護者の方の感染予防も大事です。お子さんを妊娠する前に風疹抗体価の確認を行い、抗体価が低い場合はなるべくワクチンを接種した方が良いと考えます。1歳になってから1回目を接種し、小学校に入学する前年に2回目を接種します。地域で麻疹が流行している場合は生後6か月から接種することが可能です。
またお母さんが妊娠初期に風疹になってしまうと、心臓病や難聴、白内障を持った先天性風疹症候群の子どもが産まれてくることがあります。お子さんにとっても大事なワクチンですが、保護者の方もワクチンを接種していない場合・接種していても抗体が下がってきてしまっている場合は、産まれてくる赤ちゃんを守るためにも計画的に接種するようにして下さい。
ワクチンを接種してから1~2週間後に熱が出るお子さんがいますが、1~2日で自然に解熱することがほとんどですので様子を見ていただいても大丈夫です。もし元気がない、食欲がないなど他の症状もある場合は医療機関を受診して下さい。1歳前に麻疹や風疹にかかったことのあるお子さんも、抗体がしっかりできていない場合もあるので、なるべくワクチンを接種しましょう。麻疹や風疹にかかった後にワクチンを接種しても問題はありません。
接種を受けられる年齢
1期:1歳以上2歳未満
2期:5歳以上7歳未満(小学校入学前1年間)